一番簡単なエンディングノートの書き方!必要な内容とポイント

いつ、なんどき、最期の日が訪れるかは誰にもわかりません。

もし医者から余命を宣告されている場合は、ある程度予測ができるかもしれません。

しかし心不全や脳梗塞などによる突然死、普段健康な人でも交通事故という不運な死もあり、予期しない死を受け入れなければならないケースがたくさんあります。

自分がもし突然死を免れないとしたら、余命宣告を受けてから死を迎えるより、何倍も悔いが残るのではないでしょうか。

「言っておけばよかったこと」

「しておけばよかったこと」

普通の日常生活ですら、日々後悔することは少なくありません。

自分の人生が終わるというとき後悔をしない人など、まずいないのではないでしょうか。

人生の終焉に際し、後悔を少しでも軽減するためにエンディングノートは役に立ちます。

この記事ではどんな人にもやってくる死に備え、言い残しておきたいことを記録し、また自分の生きた軌跡を刻むために便利な「エンディングノート」の書き方を解説し、必要な内容とポイントをまとめました。

シンプルなエンディングノートなら簡単!心を込めた手書きがおすすめ

エンディングノートを書くことは、生前整理※の一環です。

生前整理とは

自分の生きているうちに身の回りの不用品を処分し、大事なものを遺族にわかるようにしておくこと。 自分が生きてきたこれまでの人生を振り返り、新たな人生にリスタートを切るための大切な区切りでもあります。

生前整理をやるメリットについて、やらなければ損をする!生前整理をしたほうがいい5つの理由で詳しい解説をしています。

エンディングノートを書いておくことで、死後、自分の代わりに「大切なものが何だったのか」を他者に知らせることができるのです。

エンディングノートにさまざまな情報を書き込むことで、より有意義に利用することができます。エンディングノートを書くメリットは、以下のとおりです。

エンディングノートを書くメリット

  • 死後の心残りが軽減される
  • 遺族が慌てなくて済む
  • 大切にしてほしいものを遺族に知らせることができる
  • 口に出しては言えないことでも書き遺すことができる
  • 書くことで人生の振り返りができる
  • 忘れていた大切なことを思い出すことができる

このなかでも「自分の死後、遺族が慌てなくて済む」というのは大きな理由ではないでしょうか。

もし生前整理もされておらず、エンディングノートも書いていない状態で亡くなればどうなりますか?

遺族は「土地の権利書」や「賃貸契約書」などの重要な書類や、「通帳や印鑑」などのお金に関するものを探し回らなければなりません。

探すほうも大変ですが、探されるほうもあまりいい気持ちはしませんよね。

また事務的な内容だけでなく、照れくさくていつもは言えない「ありがとう」をエンディングノートに綴り、大切な人に言葉を贈ってもすてきですね。

エンディングノートは、どんな使い方もでき、自由度が高いことがメリットなんです。

エンディングノートと遺言書・遺書の違い

エンディングノートは遺言書や遺書とは違います。違いは以下のとおり。

エンディングノートと遺言書・遺書の違い

遺言書 自分の財産を誰にどれだけ遺すかを、民法の規定に従って書かれたもの。「遺言状」ともいう
遺書 死に瀕した理由や原因、そのときのやむに已まれぬ心情などを綴ったもの。自殺などで書かれることが多い
エンディングノート 死後または意思疎通が困難になったとき、遺族が困らなくていいように必要な情報や生前の意向を書き留めておくもの

 

エンディングノートは「遺言書」とは違い、法的効力はありません。

また死の直前に綴られることが多い「遺書」のように、感情が中心となるものではないところが特徴です。

自分で書く遺言書「自筆証書遺言」について詳しい解説は「自筆証書遺言の要件と文例を紹介!無効にならない正しい書き方とは?」を参考にしてください。

十人十色という言葉があるように、エンディングノートに正解はなく、必要最低限の情報は押さえつつも自由にオリジナルの手記を作ればいいのです。

エンディングノートは自分の死後、自分の代わりに語り部(かたりべ)となるノートですから、どこに内容の重点を置くかでそれぞれ大きく違いがあって当然です。

市販のノートを使うだけでなく、個性がキラリと光る自分らしい「エンディングノート」を作成するのもいいかもしれませんね。

シンプルでもエンディングノートだとわかればOK!

エンディングノートを手に入れる方法は、さまざまあります。

  • 書店で購入する
  • パソコンにダウンロードする
  • 葬儀社などからもらう
  • オリジナルで作る

エンディングノートとして販売されているものは、すでに書くべき項目が記されています。

そのため、何を書こうか迷わないのがメリット。

しかし必要な項目のみを埋めていくだけなので、内容が画一化されてしまうという欠点もあります。

「そもそもエンディングノートなんて、なんだか仰々しいなあ」と感じるなら、ただの大学ノートでも大丈夫。

無骨な印象のエンディングノートだってあなたの個性です。ただこの場合、必要な項目を自分で書き込まなければなりません。

シンプルなエンディングノートなら、すぐにでも作ることができます。

堅苦しく考えず、わかりやすく、簡潔に、しかし心をこめて書くことが大切。

また、ほかの廃棄物などと一緒に捨てられてしまうことのないように注意しましょう。

エンディングノートとして「わかりやすい表題」をつける必要があります。

できるだけデジタル保存は避ける!念のため紙に印刷を

IT作業に慣れた人だと、エンディングノートをパソコン内にデータとして保存する人もいるかもしれません。

確かにパソコン文字はキレイで見やすく、パスワードなども正確に保存できるため一見合理的に見えます。

しかし保存したUSBメモリーが故障したりパソコン自体が壊れてしまうなどで、データの復元ができなくなる危険性があります。

パソコンのどこにどんなデータが入っているか、他人にはわかりにくいため、エンディングノートとしてはあまりおすすめできません。

いったんバックアップを取ったうえで、さらにプリンターで印刷し、書面として取っておくと安心です。

エンディングノートの書き方!おすすめの項目と内容を紹介

エンディングノートとして「書いておかなければならない」または「書いておいたほうがいい」内容があります。

ここではエンディングノートに書くべき内容について紹介します。

エンディングノートに書くべき内容とは?項目別に紹介

エンディングノートには自分のプロフィールや勤め先の情報だけでなく、遺された家族が事後処理でばたばたしなくていいように、自分の身の回りの情報を詳細に書きましょう。

エンディングノートに書くべき項目の例

項目 具体的な内容
自分のプロフィール 氏名・生年月日・住所などは住民票の写しなどをコピーして貼りつけておくとある程度書く手間が省ける。血液型・電話番号・メールアドレスなども
かかりつけ医療機関やデイサービス施設名 保険証や診察券、お薬手帳、通所介護を受けているところがあればその施設名
勤め先・部署名 会社に勤めている人の場合、もしものことがあったときの連絡先と対応方法
親戚・友人の連絡先 連絡をしてほしい親戚や親しい友人の連絡先
葬儀や墓のこと あらかじめ決めてある業者や、希望の埋葬方法があれば
賃貸住宅について 賃貸契約書の保管場所や連帯保証人の名前
ライフライン 電気・水道・ガス・インターネットなど契約解除が必要な会社の連絡先
財産について 遺言書があればその保管場所・銀行の通帳や印鑑・株式、不動産の有無・その他の財産に関すること
パスワード類 銀行口座、証券口座、金庫、パソコンなどのパスワード・暗証番号
ペットについて 一人暮らしの場合、ペットの引き取り先
形見分けについて これだけは捨てないで残してほしいと思うものや、それを渡す人の名前
その他 楽しかった思い出やメッセージ、遺影にしてほしい写真の指定など

このほかにも趣味を持っている人は、習い事やサークル関係の連絡先など、書き加えるべき項目は人により違います。

エンディングノートの保管には注意!書き記すことでデメリットも

エンディングノートはいざというとき大変便利なのですが、都合の悪い一面も。

個人情報が流出してしまうかもしれない危険性です。

銀行口座の暗証番号や、印鑑が悪用される可能性があります。

エンディングノートの保管場所は「信頼のおける人物にだけ明かす」、または「死期が近づくまで誰にも知らせない」など工夫を。

空き巣には十分気をつけ、くれぐれも詐欺の被害に用心してください。

また多額の財産を持つ人はあらかじめ弁護士に相談し、遺産相続の手続きを踏み、目録を作成してもらいましょう。

内容に心を込めて!エンディングノートはあなたがこの世に生きた証

この記事では、エンディングノートの必要性と書いておくべき最低限の項目を紹介してきました。

「必要なのはわかってはいても、エンディングノートなんて面倒くさいな」そう思うかもしれませんが、シンプルなものならば書くべき項目を埋めていくだけなので簡単です。

とはいえエンディングノートの醍醐味は、余白にこそあるのではないかと私は考えます。

自分がどういう人間で、どんなことをして生き、そして死んでいったのか。たったひとりのちっぽけな人間でも書ききれないほどの思い出と、大切な人への感謝があふれ、残された余生を大切に生きていこうという気持ちになります。

遺された家族は、エンディングノートを手掛かりに「あなたの大切なものが何だったのか」を知ることになるのです。

過去と現在、そして未来をつなぐ手記。それが「エンディングノート」なのかもしれませんね。

 

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