生前整理のやり方!片付けの手順と押さえておくポイント

生前整理をスムーズにしたいなら、計画的に行う必要があります。

じゃ、なにから手を付けたらいいの?

正直、どこから手を付けたらいいかわかりませんよね。

生前整理の効率的なやり方のためには、手順を把握しておくことで気持ちが楽になります。

この記事では生前整理をスムーズに行うための手順を紹介し、おすすめのやり方を紹介します。

生前整理を効率的にやる方法!片付けの手間を最小限に

生前整理は自分のためにも、また家族のためにも大切なことです。

生前整理の必要性やメリットについては「やらなければ損をする!生前整理をしたほうがいい5つの理由」に詳しい解説があります。

「生前整理」でやることは必ずしも不用品を片付けることばかりではありません。

しかし片付けの作業が、もっとも時間と労力を使う作業になります。

そのため片付けが面倒でなかなか重い腰が上がらない、という人も多いのではないでしょうか?

まずは生前整理にやるべきことは何なのかをまず考えてみましょう。

大まかな手順を把握することで、生前整理を効率的にやる方法が見えてくるはずです。

生前整理を効率的に行うには?手順やフローを確認しよう

生前整理をする前に、まずは「やるべきこと」をまとめてみましょう。

たとえば「実家の親御さんが生前整理に前向きでない」場合は、それより以前に「説得する」ことから始めなければなりません。

もし生前整理の説得に苦戦しているなら、「実家を片付けるために親を説得する8つの作戦!」をお読みください。

生前整理の手順の一例

  • 不用品の処分
  • 重要書類の整理
  • 部屋の片付け
  • 家や財産の処分
  • エンディングノートの作成
  • 遺言書の作成

このうち「不用品の処分は体力的に難しい」「手伝ってくれる人もいない」という場合は、「重要書類の整理」と「エンディングノート」の作成だけでも行う、など目標ハードルを下げましょう。

エンディングノートの書き方については「一番簡単なエンディングノートの書き方!必要な内容とポイント」をお読みください。

「不用品の処分は体力的に難しい」が、「手伝ってくれそうな人がいる」なら、子供も巻き込んで家族で分担してやることです。

これがもっとも理想的な形でもあります。

家はあなただけのものではなく、子供たちが育った思い出の家でもあるのです。自分たちが暮らした家を整理するのですから、子供に気兼ねをする必要はありません。

「やるべきこと」を洗い出し、分担して計画的に行うことで、終わりの見えない大変な作業も出口を意識しながら前向きに取り組むことができるんですよ。

面倒でも生前整理は「家の片付け」から手をつける

生前整理の順序は、まず不用品の処分から始めます。

不用品を処分していくうちに、日常的に使うもののほかにも、処分に困るものが出てきます。

処分に困るものの例 どうするか?
人から借りていたもの 返すことができるなら返却
捨てることができない大切なもの 残す
大切ではないが捨てられないもの 売る・譲る
もう使わないが手放したくないもの 残す
重要書類や財産、貴重品 残す・相続手続の必要性の有無を検討

 

このように、基本的に「家主がどうしたいか」に基づいて物の処遇を決めましょう。

不用品の処分をするなかで、実印や印鑑証明、銀行の通帳、土地の権利書など重要なものは一か所にまとめ、あとでエンディングノートに明記します。

遺産相続が必要だと判断される場合は、公的手続きを踏む必要があることにも気付くケースもあるでしょう。

はじめにエンディングノートを書いたり、相続手続きをしてしまうと、家を片付ける過程で発見されたものをそのつど追記していかなければならなくなり二度手間に。

エンディングノートや遺産相続からではなく、家の片付けからはじめたほうが効率的です。

生前整理のやり方のポイント!急がない・焦らない・前もって

生前整理を短時間でやろうとするのは無理があります。

とくに不用品の処分にはたいへんな時間がかかります。

何年も何十年もかけて積み重なってきた不用品を処分するですから、それだけで相当な時間がかかるのは当然だともいえますね。

ただ「不用品の処分」という峠を越してしまえば、あとの仕事はだいぶ楽になります。

家主の意向を尊重し、時間に余裕をもつ

家主が「物を捨てることに抵抗がある」場合、必要なものと不要なものを仕分けする作業はどうしても滞りがち。

捨てることに納得していないのに処分しなければならない状況は、精神的にも大きなダメージを負います。

こういった場合はじめから手間を惜しんで専門業者に処分を依頼してしまうと、後から後悔することにもなりますから慎重にしましょう。

たとえ「ホームへの入居が決まっているから早くしたい」などの場合でも、本人が納得しないにも関わらず周囲が焦って処分するということは望ましくありません。

家の広さにもよりますが、業者の助けを借りず当事者だけで片付けをするなら、週末ごとに作業をしても1か月~3か月ほどは必要になるでしょう。

ホームへの入居、長男夫婦との同居など、スケジュールが決まっている場合、できるだけ早い時期から前もって取りかかる必要があります。

生前整理で思い出話に花が咲くのはNG?

片付けをしているうちに古いアルバムや手紙が出てきて、そのたびに思い出話に花が咲き、作業が滞るのはよくあることです。

一般的な断捨離では「思い出話はしない」「感情を排して捨てることに専念」するのがいいとされています。

確かに感情を排して作業すれば早いかもしれませんが、この作業は断捨離ではなく「生前整理」であることを忘れないでください。

POINT

なんのために生前整理をするのか?

単純に片付けることだけではなく、それ以上の意味があるはずです。

老いた父・母の話に耳を傾けましょう。

話したがっているお年寄りは、思い出を捨てたくないという気持ちが強いのです。

そんなこといってたら、いつまでたっても片付かないかもしれない!

と焦る気持ちもわかります。

しかしここでケンカになったり、家主の機嫌を損ねては元も子もありません。

また彼らの話のなかには「自分大切なものはなにか」「残してほしいものはなにか」ヒントが隠されているはず。

また年老いた父母から聞ける最期のチャンスだと思って根気よく聞くこと。

話すだけ話したら、どんなガンコなお年寄りでも「もういいわ、あとは任せた」となってくれるケースも多いでしょう。

できるだけスムーズにお金をかけず不用品を処分するには?

お金をかけずに不用品を片付けるには、自分たちで作業するよりほかありません。

自治体の粗大ごみ回収を利用すれば、300円~1,000円で回収してくれます。

大きなものでもバラバラにして指定のゴミ袋に入れてしまえば、ゴミ袋の料金だけで済ませられます。

回収業者に依頼する前に!リサイクルですこしでもお金に換える

すべてをゴミとして処分する前に、リサイクルできるものは少しでもリサイクルしてお金に換えたほうが得。

自分にとって不要なものでも、ほかに欲しいという人がいるかもしれません。

お金に換えられる不用品処分方法をまとめました。

不用品をお金に換える方法

方法 取り扱い業者一例 概要
中古品買取会社 リサイクルショップなど 地元のリサイクルショップは手軽に利用できるが、買取価格は安い
骨董品やブランド品の処分 質屋、アンティーク買取専門店 複数店で合い見積もりを取ると安心
中古品販売サイト Amazonマーケットプライス Amazonの集客力を利用できる
オークションサイト ヤフオク、 モバオク、 楽オクなど 価値のあるものは高い値段で売れる
フリマアプリ メルカリ、 ラクマ、 フリル、 ZOZOフリマなど 価値が低めのものでも言い値で販売でき、利用者が多いので売れる可能性が高い
直接人に譲る 掲示板サイトを利用する 地元主催のフリーマーケット、 ジモティー、 メルカリアッテなど 送料が高くつく大物は、直接引き取ってもらえる人を募集

 

地元のリサイクルショップよりも、インターネットを活用した処分方法のほうが同じものでも高く売れるのでおすすめ。

家主がインターネットの利用が難しいようならば、子供や孫に協力してもらいましょう。

売れないゴミは潔く!ゴミ出しカレンダーを活用する

市町村のゴミ出しカレンダーに沿って作業工程を決めることができれば、まとめたゴミを順番に運びだせるので、ゴミを置いておく場所を考えなくていいでしょう。

また場所をとる大きな粗大ごみから片付けると、一気に部屋が広くなるので片付けのモチベーションが上がります。

カサ高な洋服類、書籍、雑誌、布団や毛布などは、「今日は洋服の日」「今日は雑誌の日」「今日は布団の日」などというようにカテゴリーを分けてまとめて処分すると、ゴミ出しが楽。

思い入れが深く選別に時間がかかる写真や、趣味の雑貨などには十分配慮し、話を聞く時間を取りますが、家主が思い入れを感じない分野はそういった必要がないため、早く作業を進めることができます。

 

生前整理を業者に頼むとき注意すべきポイント

不用品引き取り業者に依頼すると、家財道具すべてを処分してくれてラクですが、当然費用がかかります。

民間業者の回収費用の相場(一例)

品目 相場料金
軽トラック積み放題 15,000円~30,000円
2tトラック積み放題 30,000円~80,000円

東京・神奈川/住宅建物解体・ブロック塀撤去・カーポート撤去・内装解体≪無料見積はこちら≫【解体工事受付センター】

 

1Kや1Rの部屋だと2tトラック1台で間に合いますが、一軒家だとそうはいきません。

物の多さにもよりますが、戸建て住宅だと50万円前後かかることもあります。

上記のような料金体系ばかりでなく、1K~5LDKまでの部屋数で料金が決まっている業者もあるので、物量が多い場合はそのほうが安くつくかもしれません。

そのほか「作業人員が何人か」によっても料金が変わるケースも。

回収作業に「車両費」や「処理費」「清掃費」などのオプションサービスが加算され、さらに高額になることもあります。

しかし破格の料金をうたった業者の中には、不法投棄でコストを削減している業者もあるので注意が必要です。

かならず数社の業者に見積もりを依頼し比較すること、利用者の口コミを確認することがおすすめです。

回収業者に依頼するときの注意点
  • 信頼できる業者かを精査する
  • 妥当な料金か、相見積もりを出す
  • 価値のある貴金属などが回収品に含まれないように注意
  • 不用品とそうでないものをわかりやすく区別しておく

回収業者によっては、「回収不要」などのシールが用意されている場合もあります。

誤って大切なものまで回収・処分されてしまわないよう事前に打ち合わせをしましょう。

生前整理のやり方のコツは「一人で背負い込まないこと」

雑然とした家財を自分が生きているうちに片付けたいと思ったら、一人で抱え込まず、家族や子供たちに相談することが大切です。

盆や正月、家族が一同そろったところで切り出してみるのもいいでしょう。

「家には巣立っていった子供たちの私物がまだたくさん残っている」というご家庭も多いのではないでしょうか?

子供のものを処分するときも、念のため本人の了解を得てからでないと、後でトラブルになりかねません。

穏便かつ、できるだけ迅速に作業を進めるためには、家族の協力なくしてはできないのです。

もう一度家族が結束するいい機会でもあります。ぜひ皆で意見を出し合い、それぞれに合った生前整理の方法を探してみてください。