老健と特養、グループホームなど介護施設の特徴や費用の違いを徹底解説!

老健と特養の違い

介護施設にはさまざまな種類があり、どの施設にどのような性質や特徴があるのかわかりにくいですね。

施設の種類ごとの特徴がわかれば、介護施設選びのヒントにもなります。

この記事では、老健と特養などの高齢者向けの介護施設との性質や特徴、費用面での負担について違いを解説します。

自分に合った施設選びを検討している方には必見の内容です!

【老健・特養・グループホーム・有料老人ホーム・サ高住】特徴の違い

高齢者介護施設には、さまざまな種類があります。代表的な介護施設は次のとおり。

そのほかにも介護療養型医療施設や、経費老人ホームなどの介護施設も存在しますが、件数も少なくあまり一般的ではないためここでは省略します。

それらの介護施設についての解説は「介護施設の種類には何がある?違いや特徴をわかりやすく解説」をお読みください。

 

介護老人保健施設(老健)

病院に隣接して建てられていることが多く、なんらかの病気やケガで入院していた高齢者が入所することが多いのが介護老人保健施設(老健)です。

退院するまでには回復したものの「自宅復帰はむつかしい」と医者が判断したとき、その病院の系列の老健に入所を勧められるケースもあります。老健の特徴は次のとおり。

介護老人保健施設の特徴

  • 公的機関(医療法人)が運営
  • 介護保険で入居でき、自己負担額が少ない
  • 要介護1以上の高齢者が対象
  • 看護師が24時間待機
  • リハビリに重点を置き理学療法士や作業療法士を配置
  • 管理栄養士によるバランスの取れた食事
  • 在宅復帰が目標だが看取りにも対応

老健は介護保険が適用されるため、自己負担が軽くすむメリットがあります。

その一方で特養とちがい、要介護1から入所可能なので、利用するためのハードルはぐっと下がります。

また看護師が24時間待機し、いざというとき臨機応変に適切な医療を受けられるのも大きな安心につながりますね。

リハビリに重点を置き、在宅復帰が目標の施設ですが、入所していた人を数カ月で追い出すというようなことはありません。

退所するとしても、「本当に在宅復帰が可能なのか」「家族は受け入れられる体制か」が明確になってのちであり、受け入れ体制も受け入れ先も決まらないうちに退所を迫られるということはないのです。

「老健で最期を迎える」という方もおり、 看取りに対応する老健も増えているため、 特養に次ぐ終の棲家として考えてよいでしょう。

老健についての詳しい解説は「介護老人保健施設(老健)とは?看取りもできるおすすめ介護保健施設」をお読みください。

 

特別養護老人ホーム(特養)

もっともよく知られている高齢者介護施設が特別養護老人ホーム(通称:特養)です。当事者でなくとも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。特養の特徴は、次のとおりです。

特別養護老人ホームの特徴

  • 公的機関(社会福祉法人)が運営
  • 介護保険で入居でき、費用面での自己負担が軽い
  • 要介護3以上の高齢者が対象
  • 看取り対応できるところもある

特別養護老人ホームは老健と同じく公的な機関が運営する介護施設で、入所時に初期費用が必要なく月額費用も安くすむため人気の介護施設です。

ただ入所の条件は老健と違い要介護3以上となっており、「本当に介護を必要としている人」を対象としているため、なかなか気軽に入所するというわけにはいきません。

特養の入所条件についての詳しい解説は、「特別養護老人ホーム(特養)の入所条件とは?」をお読みください。

入所者には生活保護受給者や身よりのない方、家族から虐待された方など、事情を抱えている方も多く、高齢者のセーフティネットとしての一面を担っています。

また特養は介護士不足という深刻な問題を抱えながら、手のかかる入所者を多く受け入れています。そのため実際にはキメ細やかな対応ができる施設ばかりではないことを念頭に置いておきましょう。

「特養だから」「公的機関が運営しているから」と頭から信用するのではなく、施設見学を入念に行い、介護士や入所者に笑顔はあるか、対応は明るい雰囲気かどうかを見極めることが大切。

いくら費用が安い終の棲家だからといって、ぎすぎすした人間関係に囲まれて「安らかな最期」は望めませんからね。

 

グループホーム

おもに認知症の症状がある高齢者の受け入れをしている施設が「グループホーム」。グループホームの特徴は、次のとおりです。

グループホームの特徴

  • 民間(一般企業)が運営
  • 認知症患者を受け入れる
  • 要支援2、要介護1以上
  • 生活介護に特化した民間施設
  • 少人数でアットホームな環境
  • 看護師などの配置基準がなく、特別な医療が必要な方には不向

※認知症患者の受け入れ機関はグループホームのみではありません。

グループホームは民間企業が運営する介護施設であり、サービスや介護の質についてはその施設ごとで大きく差があります。

入浴や排せつなど日常生活にかかわる設備面ではどうか、食事や栄養面ではどうか、レクリエーションは充実しているか、介護士の性格や質はどうかなど、入所する前にかならずチェックしましょう。

あくまでも家庭のような温かい環境で認知症ケアを行うというのが、グループホームのコンセプト。

すぐに医療面でのケアが受けられるという体制ではないので、重い持病があったり、特別な医療が必要になる方には不向きの施設です。

グループホームの特徴やメリット・デメリットなどの詳しい解説は「グループホームとは?認知症の高齢者を介護するアットホームな小規模施設」をお読みください。

 

有料老人ホーム

民間の老人ホームの代表的な存在が「有料老人ホーム」で、たくさんの民間企業が進出しているため、数も種類もバリエーション豊富です。有料老人ホームの特徴は、次のとおり。

有料老人ホームの特徴

  • 民間(一般企業)が運営
  • さまざまなタイプの施設がある
  • 初期費用や入居費用が必要になる
  • 比較的自由度の高い生活を送ることができる

有料老人ホームは、施設によって「介護付き」「住宅型」「健康型」といったタイプがあります。

特養や老健と違い入居時に費用がかかるほか、月額費用も高め。

ただ費用負担が高い分、プライバシーを守ることができたり、日常生活の自由度が高いといったメリットもあります。

専門的な医療サービスや介護サービスを提供している施設もあり、自分に合った施設を選ぶことができるのはよい面だといえるでしょう。

特養や老健に入居するまでの、一時的な「つなぎ」として利用する方もいます。

ただ民間主導の施設なので、サービスの質がよくないというケースも。

過去にも神奈川県川崎市の有料老人ホームで入居者をベランダから投げ落とす事件があったり、東京都中野区の有料老人ホームでは入居者を溺死させる事件が起きたりと、介護士による殺人事件、虐待事件は後を絶ちません。

よい老人ホームかどうかを見分けるためにも、資料だけで選ぶのではなく、かならず施設を訪問し、実際の雰囲気を肌で確かめることがもっとも重要なことなのです。

しかしすべての施設を訪問してベストな施設を選ぶことができればよいのですが、なかなか時間的、体力的にもそれが難しいですね。

ひとまず「自分にあった施設」を絞り込み、そこから訪問する施設を選びたいところです。

とはいえ、専門知識の乏しい人が施設選びを始めるのは一苦労・・・。

こぎれいなパンフレットに惑わされて見学に行ってみたものの、実際に訪問してみたら施設の中は汚物まみれ、スタッフは挨拶も笑顔もないなんてこともあるでしょう。

高齢者介護施設の選び方

こういった悩みに柔軟に応え、あなたの介護施設えらびのお手伝いをするのが、「きらケア老人ホーム 」です。

介護施設えらびを簡単にできる

きらケア老人ホームは、レバレジーズ株式会社が提供する施設検索サービス。

  • 担当のケアマネージャーが頼りにならない
  • どんな施設が適しているのかわからない
  • 専門家に相談しながら決めたい
  • 施設を急いで探したい
  • 詳しい内部事情が知りたい

このような方にオススメの検索サービスです。

レバレジーズ株式会社は2014年度のベストベンチャー100に選ばれるほど、近年急成長を遂げた企業。もともとは看護師・介護士に特化した求人派遣会社なんです。

そのため介護施設の内情には詳しく、自信をもってオススメできる施設の情報だけをユーザーに提供できるというわけ。

相談や資料請求、見学の申し込み登録は、もちろん無料。

施設の情報は、登録したユーザーにのみ公開される完全クローズなので、施設さがしを急いでいる方だけでなく、「老後のためにゆっくり施設を探そう」と考えている方もいざというときのために登録しておきましょう。

「すぐ知りたい」「すぐ探したい」という人には嬉しい24時間電話相談受付があり、施設の詳細を相談しながら見学までがスムーズです。

また電話口の相談員は介護業界に詳しい専門家。

親切丁寧に、介護施設さがしのサポートをしてくれますよ。

現在、関東圏のみの介護施設を取り扱っていますが、高齢者の施設選びはこれからどんどん需要が増えていくことが予想されますので、今後は全国に対象地域を拡大していってほしいですね。

レバレジーズ株式会社の「きらケア老人ホーム」相談窓口はコチラ

 

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

近年、増加傾向にあるのが、サ高住と呼ばれている「サービス付き高齢者向け住宅」。

健康な方や、介護を必要としないで生活できる方向けの賃貸住宅のようなものです。サ高住の特徴は次のとおり。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

  • 民間(一般企業)が運営
  • 「安否確認」「生活相談」が基本のサービス
  • 健康で特別な医療を必要としない方が対象
  • 介護が必要な方は個別に居宅サービスを契約する
  • 「介護型サ高住」という施設形態も存在

高齢者は突然亡くなる可能性があるため、通常の賃貸マンションやアパートを契約することが難しく、「高齢者は受け入れない!」というところが多いのが現実です。

住宅問題をかかる高齢者

そういった事情を抱えた方が入居するのに適しているのがサ高住。

基本的には、介護の必要性があまりない自立の方が対象です。

とはいえ入居当初は自立だったが、数年後には介護の必要性がでてくる可能性もありますね。そういった場合は、訪問介護などの居宅サービスを別途契約しなければなりません。

しかし都道府県から介護保険の「特定施設」として認定を受けているサ高住もあります。そのような施設は「介護型サ高住※」と呼んで区別されています。

介護型サ高住とは

「介護付き有料老人ホーム」と同じように24時間の介護サービスを受けることができるサービス付き高齢者住宅のこと。

介護型サ高住は、介護費用の上限が固定され、有料老人ホームよりはやや割安になるのがメリット。しかし簡単な外出などにも制限があり、有料老人ホームより個人の自由度が低くなることがデメリットです。

 

【老健・特養・グループホーム・有料老人ホーム・サ高住】費用の違い

代表的な高齢者施設の特徴の違いがわかったところで、次に気になるのは負担する費用面での違いです。

ここでは入所・入居にかかる費用の具体的な金額について解説します。

 

高齢者施設の費用(目安)

介護施設 利用料(月額) 概要

特養・老健

(介護保険施設)

約8~13万円(介護保険自己負担1割)

・初期費用0円

・要介護の度合いや部屋のタイプで費用に差がある

グループホーム 約10万円~40万円

・入居一時金が必要

・家賃、管理費、光熱費、食費、その他雑費の支払い

・認知症専門ケア加算など別途費用が加算される

有料老人ホーム 約10万円~200万円

・入居一時金が必要

・介護サービス、人員配置の充実度によって価格が大きく異なる

・家賃や管理費のほか、介護サービスや生活支援の上乗せ費用あり

サ高住 約10万円~60万円

・敷金の支払いが必要

・家賃、管理費、光熱費、食費、生活支援サービス費、その他雑費の支払い

・介護サービスが付いていないので、別途支払いの必要あり

 

上の表からわかる通り、民間が運営する高齢者施設では、入居一時金や敷金などの初期費用が掛かるところがほとんどです。(一部、初期費用不要の施設もあります)

月額の費用にも割増しやオプション料金がかかったりと、なにかと出費がかさんでしまいます。

とはいえ民間施設を選ぶなら、利用料金をケチることはあまりオススメできません。

民間の高齢者施設に限っては「安くてよいサービス」を求めることができないからです。むしろ料金の安い施設は、(介護士などの人件費を削減しているなど)何かウラがあるかもしれない、と考えたほうがよいでしょう。

ある程度の生活支援や介護サービスを希望するなら、一定額の利用料はやむをえないことを念頭に置いておきましょう。

 

老健と特養などそのほかの施設との違いまとめ!

この記事では、介護老人保健施設(老健)と、特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームなどそのほかの施設との違いについて解説してきました。

老健は病院などに隣接して建てられることが多く、医療法人によって運営されている公的な高齢者介護施設です。

介護士のほかにも医師や看護師によるサポートを受けられるので医療面での心配が少なく、もしもの緊急時も安心の対応が期待できます。

また老健は一般的になんらかの病気で入院したあと在宅復帰に向け、リハビリのために入所するケースが多いのですが、認知症などで在宅復帰が困難だと判断されるときには数年にわたり入所し続けることもあり、そのままその施設で最期を迎えることも珍しくありません。

介護保険が適用され、特養と同じく1割負担という非常にリーズナブルな金額で利用できるだけでなく、ほかの施設にはない医療体制が常時確保されていることは大きなメリットだといえるでしょう。

費用での負担の軽さ、終の棲家というイメージから特養ばかりがもてはやされますが、以上のような理由をふまえ、老健は特養やほかの介護施設に比べもっともオススメの介護施設であるといわせていただきます。