介護保険の死亡後の手続きとは?介護保険資格喪失届の提出と被保険者証の返却を

介護保険の被保険者が死亡するとどのような手続きが必要になるか

 

配偶者や親などのような身近な家族が亡くなると、市区町村役場で処理しなければならない行政の手続きがたくさんあります。

死亡後に家族が行う手続きは、期限内に行わなければなりません。

死亡後の手続きについて詳しい解説は「死亡後の手続きチェックリスト!忘れると大変なことになるかもしれない要注意事項」をお読みください。

この記事では、死亡後に行わなければならない手続きのひとつである介護保険資格喪失届と、被保険者証の返却について解説します。

介護保険の被保険者の死亡後すべき手続きとは

介護保険は高齢者の介護費用を社会全体で支える仕組みで、40歳以上の方の加入が義務付けられています。

そしてこの介護保険を受給できる対象者は、次のとおりです。

 

介護保険を受給できる範囲

第1号被保険者第2号被保険者
対象者65歳以上の方40~65歳未満の医療保険加入者
受給権者要介護者・要支援者要介護者・要支援者のうち、
老化に起因する疾病と
診断された者

 

亡くなった方が、以上のような介護保険の受給対象だった場合には、市区町村役場で所定の手続きが必要になります。

 

介護保険資格喪失届は死亡後14日以内に提出する

「要介護・要支援」の認定を受けていた方が亡くなった場合、市区町村役場に「介護保険資格喪失届」を提出します。

提出の期限は、死亡後14日以内。

「介護保険資格喪失届」の用紙は、市区町村役場の介護保険を担当する窓口にあります。

介護保険資格喪失届と同様、死亡後14日以内に行わなければならない手続きは、ほかにもあります。

以上の3つの手続きは、死亡後14日以内に所定の手続きが必要になります。忘れないうちに、管轄の機関ですみやかに手続きしてくださいね。

 

必要書類と持ち物

介護保険の受給者が亡くなったあと、「介護保険資格喪失届」を提出するさい持っていくべき必要書類や持ち物は、次のとおりです。

 

  • 介護保険被保険者証
  • 介護保険負担限度額認定証
  • 印鑑(朱肉)

 

介護保険被保険者証は、被保険者が死亡すると返却することになっています。

もし亡くなった方と一緒に生活していなかった場合など、本人の死後「保険証がどこにあるかわからない」ということもあるかもしれません。

保険証がないからといって、手続きをしないで放置することだけはしないでくださいね。

保険証を失くしてしまったときには、受付窓口にその旨を申し出てください。

また亡くなった方が「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けていた場合は、その返却も忘れないようにしてください。

介護保険負担額認定制度とはどんな制度か、詳しい解説は「負担限度額認定制度とは?介護保険施設の負担を軽減する方法」をお読みください。

 

介護保険料を払いすぎた?還付金の給付を受ける方法

65歳以上の方が亡くなった場合、介護保険の被保険者の資格を失うことになります。

この資格喪失日は、亡くなった日の翌日。

介護保険の保険料は、被保険者の資格喪失日の前月まで納める必要があるわけです。

あらかじめ一括で納入している場合、亡くなった日付によっては「払いすぎ」になることもああるわけです。

資格喪失日が一日違うだけで、1か月分の介護保険料の支払い金額に違いがでることも。

 

資格喪失日による支払う介護保険料の違い(例)

死亡日資格喪失日介護保険料が算定される期間
6/307/14月~6月(3カ月分)
6/296/304~5月(2か月分)

 

このように死亡日が一日違うだけで、介護保険料の還付が受けられるかどうかが変わってくるんですよ。

※還付金が発生しないこともあります。

月割で算定し直された介護保険料は、のちほど「介護保険料変更決定通知書」として書面で通知され、遺族(相続人)に返金されます。

亡くなった方の金融機関口座は凍結されますので、返金は相続人の口座に振り込まれることになります。

 

 

介護保険料の未納分は遺族(相続人)が支払う

これと同じように介護保険料の不足分を請求されることもありえます。

当然のことながら亡くなった方は支払うことができませんので、遺族(相続人)が支払うことになります。

 

介護保険料の還付分・未納分も相続の対象

ここで注意しなければならないことがあります。

亡くなったあと相続人が還付を受けた介護保険料や、納入した未納分の介護保険料は、相続財産として申告義務があります。

還付を受けた介護保険料は「相続財産として加算」、未納分として納入した介護保険料は「相続財産から減算」しましょう。

相続財産が「3,000万円+600万円以上」はありそう・・・

このように相続税の基礎控除額である3600万円を上回ってしまうと予測される方はとくに注意し、計算する必要があります。

相続税を納税しなければならないのは相続財産がいくらからなのか、詳しい解説は「相続税の基礎控除のわかりやすい計算方法!相続税がかからない額とは?」を参考にしてください。

相続財産がどれだけあるかは、できるだけ早く、少なくとも死後3カ月以内にはざっくり知っておくほうがいいでしょう。

なぜなら借金などの負の財産を相続しないことを決めることができる期限が、亡くなってから3カ月以内だから。

多額の借金や借入金、連帯保証人などの負の財産まで相続すると、のちのち取返しのつかないことになります。くれぐれも注意してくださいね。

 

介護保険の死亡後の手続きまとめ

この記事では要介護や要支援に認定され、介護保険の受給者だった方が亡くなった場合に必要となる「介護保険資格喪失届」と「介護保険被保険者証」などの返却について解説してきました。

介護保険に関連する行政手続きは、国民健康保険と同様、亡くなったことを知ってから14日以内に必ず済ませなければなりません。

市区町村役場に介護保険を担当する窓口に、印鑑を持って行くだけで、ほぼほぼ手続きが完了するので、難しい手続きではありません。

葬儀や法要のあわただしさで忘れてしまうことのないよう、できるだけ早めに手続きを済ませるようにしてくださいね。