弔電の宛名はどう書く?書き方やマナーを文例付きで解説!
通夜や葬式に出られないとき、利用されるお悔やみの電報が「弔電(ちょうでん)」。
お葬式や告別式で読み上げられるのを、聞いたことがある方もいるでしょう。
しかしいざ自分が弔電を送るとなると、「宛名をどう書けばいいか?」など、わかりにくいことも多いのではないでしょうか。
この記事では、故人を偲ぶ弔電を送るときの宛名について解説します。
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弔電の宛名は基本的に「喪主」
これは弔電の文面の一例です。
(弔電は、このように印刷されたメッセージを台紙に挟んだ状態で配達されます。)
弔電の宛名は、喪主の名前を入れるのが一般的。
※この例では「弔電太郎様」と書いてあるところです。
宛名は「喪主」、宛先は「葬儀会館」の住所に
最近では葬儀会館でお葬式を行う方も増えてきましたね。
会場を借りて葬儀が行われる場合、弔電は葬儀会館の住所に届けることになります。
葬儀屋さんは、亡くなった方や喪主の名前で把握しています。
そのため宛名に、そのほかのご遺族の名前が書いてあると、受け取られない可能性が。
確実に配達されるために、宛名には必ず喪主名を記入しましょう。
高校時代の旧友が亡くなった!その場合も宛名は喪主でOK?
たとえば「高校時代の旧友が亡くなった」など、長い間疎遠になっていた方が亡くなった場合、弔電の宛名はどう書けばいいのでしょうか?
このような場合も、通常どおり宛名には喪主の名前を書いてください。そして送り主の欄に、次のように書くといいでしょう。
〇〇(自分の名前)△△高校×年卒学友
〇〇(自分の名前)△△高校同窓生
このような書き方で故人との関係を記入しておくと、先方さまにもわかりやすくていいでしょう。
- 故人とはながらく疎遠にしていた
- 遺族とはあまり面識がない
- 喪主の名前はわかるが会ったこともない
このように亡くなった方と疎遠であれば、当然ご遺族とも面識がないケースがほとんどですね。
宛名にいきなり喪主の名前を書くのはいかがなものか、という気になります。
そんなときは、宛名は「喪主」にしたうえで、故人との関係を差出人の欄に書き込みましょう。
弔電を喪主ではない人に渡したい!そんなとき「様方」を使う
弔電の宛名は喪主のお名前にするのが基本ですが、喪主ではない別の人に渡したいとき重宝するのが「様方」という表記方法です。
たとえばあなたの「ご友人のお母さま」が亡くなり、喪主はそのお父さまが務めるとしましょう。
この場合あなたが送る弔電の宛名は、当然喪主であるお父さまのお名前です。
でも友達のお父さんじゃなくて、友達にお悔やみを伝えたいのに・・・
こう考えるのはもっともですね。
そういったときに利用できる書き方が、「様方」です。
様方を使った「宛名」の書き方は、次のとおり。
「〇〇(喪主名)様方△△(友人名)様」
このように「様方」を使って表記することで、喪主ではない方にあてて弔電を届けることができます。
例として「友人」を上げましたが、個人的な関係に利用できる表記なのでぜひ覚えておくといいでしょう。
喪主が誰だかわからない!そんなときに使える弔電の宛名
遠い親戚だったり、日ごろ疎遠な間柄だったりすると、喪主が誰なのかわからないという場合もあります。
そんなときどのような表記にすればよいでしょうか。
もちろん喪主名を問い合わせればよいのですが、そうできない場合もありますね。喪主名がわからないときの対処法は、次のとおりです。
「△△(亡くなった方の名前)様ご遺族様」
「△△(亡くなった方の名前)様ご一同様」
葬儀会館に届ける場合でも、故人の名前さえ間違えなければ、きちんと届けられます。
お葬式前は喪主様一同、悲しみに暮れる間もないほど忙しいことは想像に難くありません。
忙しいことがわかっているのに「いちいち喪主名を問い合わせるのも気が引ける・・・」そんなときに利用できる宛名の書き方です。
弔電の喪主名や送り先を聞く方法についてはこちら「弔電の送り先はどうする?書き方をケース別に解説!」を参考にしてください。
会社・取引先に送る弔電の宛名の書き方
会社の従業員やその家族、また取引先の重役などがお亡くなりになった場合、社内規定に従って弔電を手配しましょう。
しかしまだ新しい企業なら、「社内規定なんかない」ということもあるかもしれません。
そのようなときは、担当上司とよく話し合い、対応を決めてくださいね。
会社として弔電を送る場合には、次のようなケースが考えられます。
- 従業員が亡くなった
- 従業員の家族が亡くなった
- 取引先の社長や重役が亡くなった
- 取引先の社長の家族が亡くなった
また会社として間違いなく弔電を届ける必要がありますから、次のことをしっかりと確認しましょう。
弔電を送るときの確認事項
- 宛名(喪主の名前)
- 届け先(葬儀会館の住所など)
- 葬儀の日時
弔電はお葬式に間に合うように届けなければなりませんから、葬儀の日時は特に重要です。
届け先も先方に確認し、必ず間違いのないように手配しましょう。
なおこのとき「亡くなった方の続柄」も聞いておくと、弔電の文章に「ご尊父様」「ご母堂様」などと続柄の敬称を入れることができるのでおすすめです。弔電でよく使われる敬称の一覧表はこちら。
宛名の表記は、次のいずれかを使います。
- 喪主の名前
- 「△△(亡くなった方の名前)様ご遺族様」
- 「◯◯斎場気付 ◯◯様」(葬儀会館宛に送る場合)
宛名の表記は、基本的には喪主の名前です。
喪主の名前が不明なら「ご遺族様」、葬儀会館宛なら「気付」を、上記の例に従って使用します。
弔電の宛名に会社名や肩書を入れる?
会社として弔電を出すのだから、宛名に社名を入れたほうがいいのではないか?
そう考えて、宛名に会社名や肩書を入れるかどうかで迷う方もいるのではないでしょうか。
しかし、宛名に会社名や肩書は入れません。
なぜなら喪主の名前を宛名にしたとき、そこに会社名が入っていると、見た目がおかしくなってしまう場合があるためです。
たとえば、「株式会社おくやみ」という会社の専務(弔電太郎さん)が亡くなったとしましょう。その場合、喪主は弔電太郎さんの奥様(ここでは花子さんとします)です。
宛名に「株式会社おくやみ 専務取締役 弔電花子様」と社名を入れてしまうと、どうでしょうか。
奥様が勤務していたわけでも、奥様が専務なわけでもありませんから、宛名がおかしいことになりますよね。
そのため宛名に社名や肩書を入れず、喪主のお名前だけにします。
会社つながりをアピールするなら、差出人欄に社名を入れましょう。
例)宛名:弔電 花子 様
差出人名:株式会社おくやみ代表取締役 弔辞 二郎
このようにし、宛名には社名や肩書を入れるのは控えるのがよいでしょう。
「気付」の使い方!葬儀会場や会社宛に送る場合
気付(きづけ)というのは、郵便物を個人宅にではなく、関係する別の住所に送るときに使います。
弔電の宛名に「気付」を使うときは、おもに次のようなケースが考えられます。
葬儀会館アテに弔電を送る場合→「〇〇会館(葬儀会館名)気付 △△様(喪主名)」
会社宛に弔電を送る場合→「株式会社〇〇気付 △△様(喪主名)」
「気付」は弔電の届け先が、葬儀会館や会社など団体に宛てる場合、よく利用される記入方法。
個人的な関係で弔電を送る場合でも、仕事の関係で弔電を送る場合でも、どちらでも利用できる言い方なので、覚えておいてくださいね。
弔電の差出人を連名にするには?多すぎる連名に注意
弔電を数人で連名にして送りたいという場合もありますね。
連名にする場合は、役職や年齢が高い人から順に名前を並べます。
ただ、多すぎる人数で連名にするのは、あまりよくない場合もありますので注意。
連名があまり喜ばれない理由は、次のとおりです。
- 地域の慣習で連名にできない場合がある
- 大人数の連名は見た目がよくない
- 料金を節約した感が否めない
古い地域では「弔電の差出人は家長の名前にする」など、地域的な慣習が残っているところがあるようです。
このような慣習的な問題で、連名にすることがマナー違反になることもあるので注意してください。
とはいえ、どうしても連名にしたほうがいいという場合もあります。
団体や組織で弔電を送るさいには、差出人の欄に次のように表記するのが一般的です。
〇〇同好会 一同
〇〇学校同窓生 一同
このように「一同」でまとめてしまいましょう。
とはいえもちろん連名にすることが悪いわけではありませんので、「一同」という言い方が適していない場合は、臨機応変に対処してください。
弔電の宛名まとめ!宛名は喪主の名前が基本
この記事では弔電の宛名について解説してきました。
弔電を送る側にも送られる側にもさまざまなケースがあり、一様ではありません。
しかしどんな場合でも弔電の宛名は基本的に「喪主の名前」であることを覚えておいてくださいね。
喪主と直接的な関係がない方が弔電を送る場合は、差出人の欄に肩書などを記入することで関係をアピールすることができます。
そのほか「喪主の名前がわからないときはどうするか」など、便利な言い回しも紹介しましたね。
弔電の送り方をマスターして、正しい宛名で送付するようにしましょう。