グループホームは介護度が上がると料金はどうなる?退去の可能性は?

グループホームは認知症の高齢者を対象とした施設。

身の回りのことは自分ででき、共同生活に支障のないことが入居の基本的な条件とされています。

グループホームの概要やメリット・デメリットについて詳しい解説は「グループホームとは?認知症の高齢者を介護するアットホームな小規模施設」をお読みください。

しかし(認知症であること以外)いたって健康なご老人とはいえ、年月とともに体力が衰え、次第に介護度が上がり、寝たきりになってしまうことは仕方ないことです。

「要介護度が上がったら、グループホームを退去しなければならなくなった!」

グループホームの利用者からはこのような声も聞こえてきます。

グループホームは介護度が上がると、本当に退去しなければならないのでしょうか? また退去を迫られたとき、どうすればいいのでしょうか?

この記事ではグループホームと介護度の関係について解説します。

グループホームは要介護認定が必要!入居条件は?

1ユニット9名までの少人数、アットホームな環境で認知症ケアを受けることができるグループホームは「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれています。

その名が示すとおり、認知症の高齢者でなければ入居することができません。

そのほかにあるグループホームの入居条件は、次のとおりです。

グループホームの入居条件

  • 認知症であること
  • 60歳(または65歳)以上であること
  • その地域の自治体に住民票があること
  • 要支援2、要介護1以上であること

 

このように介護度については「要支援2以上、要介護1以上」とあるのみで、介護度の上限については定められていません。

名目上は、要介護1だった入居者が要介護5となっても、入居条件に反していることにはならないのです。

グループホームの費用!介護度が上がると料金はどうなる?

介護度が上がれば、介護にかかる必要経費もかかりますから、当然料金にも反映されます。どの程度、介護費は値上がりになるのでしょうか。

グループホームの介護サービス費

グループホーム費用のうち、介護度によって段階的に上がっていく費用は「介護サービス費」と呼ばれるものです。

グループホーム介護度費用

 

介護サービス費の具体的な金額は、次のとおりです。

自己負担額
要支援222,650円
要介護122,770円
要介護2
23,850円
要介護3 24,540円
要介護4 25,050円
要介護5 25,560円

※1割負担で計算しています。また金額は自治体ごとに多少違いがあります。

実際に月々支払う金額は自分の場合いくらになるのか、施設やケアマネに問い合わせてみてくださいね。

グループホームは介護度が上がると退去しなければならない?

グループホームは名目上、日常生活は自立で、共同生活が可能な方が対象です。

しかし入居してから年月が過ぎれば、認知症も進行しますし、より介護の手がかかるようになるのは当然のこと。

しかしグループホームによっては、認知症が進行した結果、ほかの入居者に暴力をふるったり、弄便(大便をいじる行為)などの問題行為があると、退去を余儀なくされることもあります。

グループホームは、事業所側から退去を命じることができる介護施設なんです。

手のかかる入居者がどんどん増えれば、それだけ介護士の負担が増え、職員の増員も必要になります。

とくに小さな事業所では対応しきれずやむにやまれず、という事情もあるのでしょう。

グループホームから突然の退去命令!どう対処すべき?

もしグループホーム側から退去命令が出されてしまったら、どう対処するのが適切なのでしょうか?

「これ以上、面倒を見ることができない」と施設側が言っている以上、「そこを何とかやってください!」と無理にすがっても、何とかしてもらえるものでもありません。

「面倒な家族」だと認識され、入居者本人の肩身も狭くなるばかり。次の受け入れ先を探すことが先決です。

ひとまずグループホーム側に、次の受け入れ先が決まるまでひき続き介護をお願いし、できるだけ早く担当のケアマネにふさわしい施設を探しなおしてもらいましょう。

同じグループホームでも、介護度が上がっても対応してくれたり、看取りまで行ってくれる事業所もあります。

終の棲家として代表的な特別養護老人ホーム(特養)や、医療法人が運営する介護老人保健施設(老健)の空室状況もチェック。

特養への入所を希望するなら、空室が出るまで待たなければなりませんから、いくつかの特養に同時に応募するなど、受け入れ先が早く見つかる工夫をしてみてはいかがですか?

しかし受け入れ先を早く決めたいばかりに、よく下調べをしないで決めることは禁物です。

新しい施設の暮らしが合わず、また住むところが転々とすることになれば、ご本人も心身ともに消耗してしまいます。

今度こそできるだけ長く、安心して暮らしていける施設を選ぶことに注力することが大切なんですよ。

グループホームの介護度まとめ!

この記事では、認知症高齢者の共同生活介護であるグループホームの介護度について解説してきました。

グループホームは認知症ケア中心の施設ですので、認知症であるほかに身体介護に重点を置かなければならない入居者は退去を余儀なくされる場合もあります。

施設を早く見つけなければと焦る気持ち、退去を理不尽だと嘆く気持ちもわかります。

しかしその人の身体状態に見合った介護を提供する施設はかならず見つかります。担当のケアマネとしっかり協議を行い、本人に望ましい環境を探していきましょう。